2001 年 7 巻 1 号 p. 54-57
このウェブ作品は、高校や大学におけるデザイン教育の教材として制作された。内容は、プレゼンテーションの基本(特徴、種類、準備のポイントなど)、タイポグラフィの基本(書体の概念、文字の形、スペーシング、レイアウトなど)、色彩の基本(配色の工夫、加法混色の理解)についてである。知識を伝える手段として、既存の表現が静的な文章を基本としているのに対し、この作品はアニメーションやインタラクティブな図解など、動的なイメージを基本としているのが特徴である。ディジタルツールが便利になっていく中で、デザインの基本的な考え方を理解する機会は減っている。この問題を補い、初心者にデザインの面白さを気づかせるためのツールを、ディジタルメディアで作りたいと考えたのが出発点である。ディジタル環境が当然となりつつある学生に対し、ディジタルツールによる魅力的なプレゼンテーションを見せ、自分の表現に応用してもらうことも、重要な教育と捉えている。また、既存のグラフィックデザイン手法をマルチメディアに拡張していくための試作としても、位置付けている。