障害科学研究
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低周波鍼通電療法習得のための学習事項と盲学校理療科生徒の坐骨神経鍼通電の習得上の困難さの関係に関する研究
工藤 滋岡 愛子原 早苗和田 恒彦
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2017 年 41 巻 1 号 p. 149-161

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抄録

【目的】坐骨神経パルスは臨床上有用な治療法であるが、盲学校理療科生徒の成功率は経験的に高くない。そこで習得が困難な要因について分析するために全国調査を実施した。【方法】対象:平成27年度の盲学校専攻科理療科3 年在籍生徒97名。手続き:郵送による無記名自記式質問紙法とした。【結果】最も簡単と感じているのは脊柱起立筋パルス64.2%で、難しいのは坐骨神経パルス43.6%であった。治療に使用できないと答えた者は橈骨神経パルス68.0%、坐骨神経パルス50.5%、僧帽筋パルス36.1%、脊柱起立筋パルス26.8%の順であった。回答者の89.7%が坐骨神経パルスをできるようになりたいと感じていた。【結論】パルス習得の困難さの要因は授業での指導の有無であったが、脊柱起立筋パルスと橈骨神経パルスについては対象組織の触診技術、僧帽筋パルスについてはリスク管理技術、坐骨神経パルスについては刺鍼部位の決定方法の習得の有無が関係していた。

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