障害科学研究
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特別支援学校教員の初任者研修における実施内容の変遷
〜一自治体における校外研修に着目して
内海 友加利安藤 隆男
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2017 年 41 巻 1 号 p. 91-104

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抄録

特別支援学校教諭免許状の保有率が依然低く、教員構成における若手教員の割合 が高まる今日、教員の資質能力向上は現職教育における喫緊の課題である。本研究は、現職教育の初段階として重視される初任者研修の変遷を明らかにすることを目的とした。任命権者である都道府県教育委員会が実施する校外研修に着目し、若手教員の割合が比較的高い自治体の研修実施概要を、文部科学省が示した枠組みに照らして検討した。内容は基礎的な知識を提供するものが多く、変遷の背景には学習指導要領改訂や特別支援教育制度への転換等、国の施策に応じて組み込まれていた。また、重度・重複障害教育等、学校教育における課題が継続的に実施されていた。近年、初任者研修は2 年目・3 年目教員に対しても行われるようになった。授業研究等の実践的な内容が取り組まれ、日々の実践における課題解決や校内研修とのつながりが重視されていることが示唆された。

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