障害科学研究
Online ISSN : 2432-0714
Print ISSN : 1881-5812
実践報告
自立活動の個別指導場面における若手教師の意思決定プロセスの分析
—動作法の習熟度に着目して—
北川 貴章内海 友加利安藤 隆男
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2020 年 44 巻 1 号 p. 149-159

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抄録

本研究は、特別支援学校(肢 体不自由) における身体の動きに関わる自立活動の個別指導に着目し、自立活動の指導に活用されている動作法の習熟度が、若手教師の意思決定に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。若手教師6 名を対象とし、動作法の習熟度から2 グループに分け、授業の実施段階と授業のデザインとのズレとその対応に関する授業者の語りを分析した。動作法の習熟度によって、代替策の有無に差があることが分かり、学習者の身体の動きの状態に合わせて指導の内容や方法を変更する教師の意思決定に差が生じることが示唆された。事例的検討の方法論的な制約はあるが、特定の指導に関わる方法の獲得・習熟は、授業の計画・実施・評価の各段階に影響することから、自立活動の授業力向上を目指した力量形成モデルの構築に資するものである。

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