抄録
高速炉は高温で運転されることから熱荷重が厳しくなる。熱荷重の発生要因は冷却材温度変化であることから、その予測には流体と構造の両者を評価する必要がある。また、熱過渡応力は温度の絶対値ではなく変化速度や空間分布に依存することから、他の荷重に比較して設計上の見通しが良くない。こうした問題を緩和するため、「実用化高速炉構造設計基準(略称FDS)」策定の一環として、熱流動・構造一貫評価法に基づく系統熱過渡荷重設定法と周波数伝達関数によるサーマルストライピング荷重設定法を開発し、両者を含む「熱荷重設定に関する指針」を策定している。