抄録
近年、我が国では、倫理コンプライアンスに関連する一連の不祥事、過誤隠蔽、データ隠蔽・流出・改竄、不許可物質使用など企業の姿勢やモラルが問われる出来事が頻発している。一方、規制側と事業者側の関係についても、自主規制への流れや監査制度の変化に伴い、企業を取り巻く外部環境も大きく変化してきた。このような状況においては、企業およびその構成員は、これまで以上に倫理価値判断能力が求められる。特に、原子力の安全性を担保する制度的仕組みとしての自主保安が正しく機能するためには、事業者において倫理コンプライアンスの実効性が確立されていることが前提となる。本研究では、国内外の企業が実際にどのような形で倫理コンプライアンスへの取組みを行い、どのような課題に直面しているか、調査し、倫理コンプライアンス体制の導入及び推進に寄与する外部環境の整備のあり方について検討する。