抄録
原子力発電の発電コストは固定費の割合が高いことから、火力電源に比べると、輸入燃料価格の変動の影響を受けにくい。このため、原子力発電は電力価格の安定化に一般に貢献していると言える。原子力発電の導入によって価格安定化がもたらされる価値の定量的評価については、ポートフォリオ理論を用いた分析が多くの研究者によって試みられてきた。しかし、同分析の過程で公衆の効用関数の推定が必要とされるが、この課題は解決されずに残されたままであった。本研究では、コンジョイント分析を用いて、価格水準と価格変動リスクを変数とした公衆の効用関数を推定する一つの方法を示す。また、関西地域で実施したアンケート調査結果から、実際に効用関数を推定した結果を示す。