抄録
前回，923KのNaCl-2CsCl溶融塩におけるウランイオンおよびウラニルイオンの紫外可視領域の吸収スペクトルを報告した。今回は，ウラニルイオンを対象に溶融塩の温度および組成をパラメータとして，電解によりUO22+をUO2+へ還元する操作を繰り返しながら，紫外可視近赤外領域におけるウラニルイオンの吸収スペクトル測定を行った。還元前にNaCl-2CsCl中のUO22+のスペクトルを測定し，近赤外領域にUO22+の吸収がないことを確認した。次に823Kで電解還元を繰り返し，UO2+による395nmの吸収バンドが923Kと同様増加し，620，770nm付近および近赤外領域1,600nm付近にUO2+による吸収を確認した。また3LiCl-2CsCl中でUO22+，UO2+のスペクトルを測定し，NaCl-2CsCl中でのスペクトルとの比較を行った。
