抄録
TRU廃棄物は,HLWに比べて発熱量が小さいという特徴があり,比較的大断面の坑道内に効率的に定置できる可能性がある.このため,結晶質岩系岩盤に比べて亀裂の影響が少ないが岩盤強度が小さい堆積軟岩においては,坑道深度,周辺岩盤の力学特性並びに坑道規模が坑道の力学的安定性へ与える影響の把握が重要である.本稿では,これらの影響要因をパラメータとした2次元FEM解析を行い,力学的安定性への影響を検討した。検討条件としては,TRU概念検討書と同様に円形断面を対象とし,坑道深度(300及び500m),岩盤物性(SR-B及びSR-C岩盤)並びに坑道径(内径で8、10及び12m)の組合せで計12ケースを設定した.解析の結果、今回の検討範囲においては,全てのケースでTRU廃棄物処分坑道の成立性が確認された.ただし,深度500mでは、深度300mに比較して厳しい条件となるものと判断され,特に,SR-C岩盤では支保工応力の点からもさらに厳しいものと考えられることから,処分坑道の設計においてはこれらの点に十分に留意する必要があるものと考えられる.