日本原子力学会 年会・大会予稿集
2004年秋の大会
セッションID: K03
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装置・システム開発
MgカソードRFガン/ライナック/レーザー同期システムの長期ドリフト分析
*上坂 充飯島 北斗上田 徹室屋 祐佐作美 明熊谷 教孝富澤 宏光
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抄録
パルス・ラジオリシス法は、極短時間における放射線化学反応の研究に有用な手法である。この手法は通常、電子線形加速におけるフォトカソードRF電子銃とフェムト秒レーザーの組合せによって実現される。こうした高時間分解能を実現するためには電子バンチとレーザーの極短パルスが必要なのはもちろんであるが、これら2つのビームの時間同期(電子ビームに対するレーザーの到達タイミング)の精度も重要な要因となる。一般に高時間分解能を持つ放射線化学のための加速器はフォトカソードRF電子銃、加速管、磁気バンチ圧縮器からなる。当施設の加速器はMgカソードの電子銃を入射器として、S-band・2m・進行波型の加速管、シケイン型磁気圧縮器から構成される。シケインで圧縮される電子バンチの幅は、測定対象が水の場合、1nCで1ps程度である。電子銃を駆動するレーザーはTi:Sapp.からのレーザー光の3倍高調波を用いているが、この光は基本波をスプリッターで分けたもので、もう一方をパルス・ラジオリシスのプローブ光に用いている(パルス幅、100fs)。これら2つの光は光学的に分けているため、タイミングのずれは無いものと考える。しかしながら、この装置を用いた実験では全体の時間分解能が、最も悪い時で10ps程度となることがある。この主たる原因はレーザーとRFの同期にある。
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© 2004 一般社団法人 日本原子力学会
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