抄録
本研究では、中性子を土壌に打ち込んで、地雷爆薬を構成する元素との核反応で生成される即発γ線を検出する手法の開発を進めているが、この手法では、即発ガンマ線スペクトルパターンの識別、特に、爆薬の主要構成元素である窒素の中性子捕獲反応で生成される10.8MeVガンマ線の検出を拠りどころにしており、ガンマ線検出器系の感度やS/N比の実験的検証が必要不可欠である。そこで、できるだけコンパクトな地中埋設地雷探知の模擬実験体系をモンテカルロ中性子・γ線輸送計算コードMCNP-4Cを用いて設計・構築し、その模擬体系を用いた基礎実験を行い、中性子・ガンマ線輸送計算に基づく実験解析をもとに、地雷探知の検出限界の評価を試みた。