抄録
「常陽」MK-_III_炉心は、最大85体の燃料集合体と、その周辺を取り囲む反射体及び遮へい集合体で構成される。これらの集合体を通過する冷却材流量は、各集合体下部エントランスノズル部のオリフィスによって適切に配分されるよう設計、製作されている。炉心内の流量配分が適切に行われ、各燃料集合体出力と流量にミスマッチが生じていないことを確認するため、集合体流量測定装置を炉内に挿入し、各集合体を通過する冷却材流量を測定した。また、性能試験の出力運転状態において、炉内の燃料集合体上部に設けた熱電対により集合体出口冷却材温度を測定した。測定の結果、各燃料集合体の流量は解析結果と良く一致した(C/E=1.01から1.05)。また、出口温度は、各燃料集合体の出力計算値と流量測定結果を基に評価した解析結果と良く一致した(平均温度差約7℃)。これらの結果より、炉心内流量配分が適切であることを確認した。