抄録
格納容器冷却システムは、冷却材喪失事故時に建屋上部に設置したPCC/ICプールから発生する大気圧の蒸気の一部と地上の水タンクの水を用いてSIを駆動し、再びプール内に注水するシステムである。本システムは、大気圧の蒸気以外の動力が不要で、原子力発電プラントの簡素化に大きく寄与する。しかしながら、SIの性能は不凝縮ガス濃度の影響を大きく受けるため、SIの作動条件である入口蒸気に含まれる非凝縮性ガス濃度を評価することは、本システムの成立性を評価する上で重要である。通常、プール内は空気が充満しているが、事故時には蒸気発生により空気が押し出され、プール内の非凝縮性ガスの分布は変化する。この現象を解析することにより、蒸気インジェクタの作動条件を予測すると同時に本システムへの適用性を評価し、プール形状の最適化を行った。