抄録
ツインユニットとなっている国内外のいくつかの原子力発電所におけるユニット間違いによるトラブル報告がある。実際のトラブルとほぼ同じ経路を歩行中の作業員の発話内容分析を行った先行研究では、経路を間違った被験者が周囲の環境と自分自身との位置関係にあまり注意を向けていない可能性が指摘されている。本研究は、作業員に発電所内の動画像から場所の定位を行うように求めることにより、作業員が発電所内で定位を行う際に利用する手がかりの種類および、定位の成否と利用された手がかりとの関係について調べることである。実験の結果、全試行のうち約5%においてユニット間違いが発生したこと、またそれらの試行ではユニット番号やユニット表示に関する言及が少ないことが示された。