抄録
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)への微量添加元素の影響を調べるため、SiおよびCを添加した高純度SUS304系ステンレス鋼を3.5×1025n/m2(E>1MeV)まで543Kの不活性ガス中で中性子照射を行った。照射後、561K、9MPaの高温高圧水中において、溶存酸素濃度:8ppm、ひずみ速度:1.7×10-7s-1一定の低ひずみ速度引張試験および破面観察を行った。その結果、Siを添加した場合、90%以上の粒界型応力腐食割れ(IGSCC) 破面率を示し、Siの効果は認められなかったが、Cを添加した場合、31%のIGSCC破面率と60%以上の粒内型応力腐食割れ(TGSCC)破面率を示し、C添加によりIGSCCが抑制される効果が認められた。