芳香族化合物に対するOHラジカルの挙動の温度依存性及び超臨界状態での挙動を解明することは超臨界水酸化の効率化のためにも非常に重要である。本研究ではベンゾフェノン水溶液の超臨界水状態でのgラジオリシスを行い、超臨界水中でのOHラジカルの役割を検討することを目的とした。室温ではベンゾフェノンの分解G値及び生成物のG値はN2O飽和によって大幅に増加することから、OHラジカルが非常に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。超臨界状態ではフェノールと9-フルオレノンが主な生成物であった。超臨界状態ではG値は圧力に大きく依存し圧力が低いと非常にG値が大きくなった。どの密度でもフェノールと9-フルオレノンが主な生成物であった。また、N2O飽和系のほうが生成及び分解G値両方でAr飽和系を上回った。超臨界状態でもOHラジカルがベンゾフェノンの分解及び生成物の生成に大きく関与していることが明らかとなった。