抄録
核医学において、陽電子源のRIを体内に投与し、陽電子の対消滅による一対の消滅光子のコインシデンス測定からRI画像を得るPET(Positron Emission Tomography)は、定量性に優れ感度が良く、投与するRIの選択により多様な用途があるため、今後の需要の増加が見込まれている。このPET技術の中で、消滅光子間の飛行時間差情報の活用によりS/N比、位置分解能改善を図るTOF-PETの開発研究は古くからあるが、本研究では、従来のシンチレータを利用したTOF-PETより高い時間分解能を得るため、発光時間の短いチェレンコフ光を利用したTOF-PETシステムの概念検討を行い、シミュレーションによる基本性能予測と適用性を評価した。