抄録
現在、世の中で一番短いインパルスはレーザー光パルスであり、数フェムト秒の光パルスの発生が可能である。しかしながら、フーリエ限界とよばれる短パルス圧縮の限界を規定する原理により、アト秒の短パルスの発生は困難である。一方、電子線などの粒子にはこの限界が存在せず、原理的にいくらでも短いパルスの発生が可能である。2004年度に我々の研究では、世界最短の98フェムト秒の電子線パルスの発生に成功している。電子線パルス圧縮の手法をさらに改善することにより、アト秒電子パルスを発生する技術を実現し、ダブルデッカー電子ビームをもいたアト秒パルスラジオリシスを開発することが目標である。