抄録
ナトリウム冷却高速炉では、炉上部に存在する自由液面からのArガスの溶融や、制御棒長寿命化による制御棒でのヘリウムガスの生成があり、系統内へのガス気泡の根絶は困難である。系統内に混入した気泡は、炉心反応度,流動安定性,熱伝達等に影響をおよぼすため、その定性・定量的な挙動を評価する必要がある。本研究では、炉上部プレナム構造を対象とし、複雑な流れにおける気泡挙動の数値解析を行うことで、気泡の系統外への離脱(自由液面への流出),ナトリウム中への溶解,気泡として系統内へ再流入する現象を評価し、浮力や慣性力を代表する無次元数で整理,モデル化した結果について報告する。