日本原子力学会 年会・大会予稿集
2006年秋の大会
セッションID: N30
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流動安定性
エルボ曲率半径がエルボ下流の流速変動場に及ぼす影響
*小林 順木村 暢之小川 博志飛田 昭上出 英樹
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抄録
ナトリウム冷却高速炉の経済性を向上させる方策の一つとして、ループ数削減が概念設計に取り入れられ、その成立性が検討されているが、高出力化とループ数削減に伴い配管が大口径化され、高レイノルズ数領域における基礎データの取得が不可欠となっている。さらに、冷却系配管の主要な部品であるエルボの曲率半径は、原子炉をコンパクト化し、物量の削減を図る上で、重要な設計パラメータの一つとなる。したがって、エルボの曲率半径が、高レイノルズ数時におけるエルボ下流域の流速変動場に及ぼす影響を評価することは、基礎的なデータを得るという観点からも非常に重要である。 本研究では、エルボ下流域の流力振動に対するエルボの曲率半径が与える影響について、過去に得られた知見も含めて、その評価を行った。試験は、エルボの曲率半径の円管直径比が1.0と1.5の2種類のエルボを用い、Re < 5.0E5の範囲で水流動試験を実施した。流速場計測には粒子画像流速測定法(PIV)を適用した。 試験の結果、エルボ内部における最大流速は、曲率半径が小さいエルボの方が、大きいエルボに比べて10%程度大きくなり、軸方向流速成分の径方向の速度勾配が大きくなることが分かった。そして最大流速点は小さいエルボの方が下流側で発生する。一方、最大速度変動強度についても、曲率半径が小さいエルボの方が30%程度大きく、その発生位置はエルボ出口部に、より近い側で発生する。さらに、最大速度変動強度発生点におけるパワースペクトルは、ストローハル数が約0.5付近でピークを持つことが確認された。
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© 2006 一般社団法人 日本原子力学会
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