日本原子力学会 年会・大会予稿集
2006年秋の大会
セッションID: L43
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運転支援
ABWR浜岡5号機の自動制御による高速起動
*山田 克巳涌永 隆夫林 大和真杉 剛
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抄録
 ABWR浜岡5号機は電動式の制御棒駆動機構(FMCRD)を採用しており、自動出力調整系(APR)による制御棒操作を含めた運転自動化が図られている。APRは、制御棒引き抜き開始から定格出力到達までの起動過程を臨界近接、昇温昇圧、発電機並列後の出力上昇といった各段階に分けてサポートしている。臨界近接から昇温昇圧過程においては、炉心の反応度変化を核計装で検知し、過大な反応度が投入されることのないように適切に制御棒を操作しながら、定められた温度上昇率で炉心を昇温昇圧する。また、発電機並列後の出力上昇時には、APRのサブシステムである熱的制限監視装置(ATLM)によって、線出力密度(LHGR)や限界出力比(CPR)といった熱的制限を守りながら、制御棒または再循環ポンプ(RIP)を自動操作して、プラントを定格出力に到達させる。これら自動機能を利用した起動および出力上昇は順調に行われ、運転員の負担を軽減しながら高速起動を実現した(第2サイクルの発電機並列から定格電気出力到達までの所要時間は12時間50分)。
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© 2006 一般社団法人 日本原子力学会
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