抄録
原子炉冷却系構造材の三次元詳細振動・腐食機構解析技術の確立を目的に、三次元詳細流体解析、熱解析に振動解析あるいは腐食解析を重畳させた構造材料の腐食損傷解析手法の開発に着手した。原子炉の主要構造、配管内での流動状況を解析し、その結果に構造材との連成振動解析、ラジオリシス解析あるいは脱酸素反応解析を重畳させ、主要部の疲労および腐食環境評価を行う。さらに、流動加速腐食を取り上げ、問題箇所の摘出と当該箇所での腐食減肉速度の定量化に挑戦する。本発表では、経済産業省の提案公募事業における振動・腐食機構解析開発の開発目標と特徴についての概要を紹介する。腐食環境評価因子として、腐食電位を取り上げ、応力腐食割れの問題発生箇所を予測すると共に、流動加速腐食の問題発生箇所についても適用する。