抄録
高計数率の測定においては信号が重なるパイルアップは避けられない問題であるが、信号波形を記録、処理するデジタル信号処理を用いれば、波形が同じ形状であるという前提のもと重なった信号を分離することが可能である。しかし、中性子計測で広く使われる有機シンチレータNE213では信号波形の差異によって中性子とγ線の弁別を行うため、パイルアップイベントの分離が非常に困難であるという問題があった。今回、伝達関数を用いて波形を変化させ、粒子情報を失うことなく信号テールの減衰を早め、パイルアップを回避する手法を開発した。また、この手法をパイルアップさせた信号に適用し、その効果を確認した。