抄録
以前の研究でBWRにおける燃料棒単位詳細メッシュ炉心計算手法の技術的問題点について検討した。以前の研究では有限差分法を用いて計算していたが、有限差分法で十分な計算精度を得るためには燃料棒内をさらに詳細に分割する必要があることが分かった。燃料棒内をさらに詳細に分割することは計算機容量の観点から現実的ではなく、燃料棒内を分割する必要のない、より高精度な計算手法を用いる必要がある。
そこで本研究では詳細メッシュBWR炉心計算手法にノード法を適用することを検討した。ノード法は有限差分法に比べてメッシュ誤差が小さいため、有限差分法に比べ少ないメッシュ数で同等の計算精度が得られると考えられる。現在、PWRにおいてはノード法を適用することで高い計算精度が示されているが、PWRに比べてBWRはメッシュ効果が大きいため、BWRに適用した場合にどの程度の計算精度が得られるかは不明である。そこで本研究ではBWRにおいてノード法を適用することでどの程度の計算精度が得られるかを検討した。
また、通常のノード法に加えてscattered source subtraction法(SSS法)についてもBWR炉心計算手法への適用を検討した。SSS法はSP3方程式の両辺から散乱源の項を引いたもので、PWRにおいては通常のノード法に比べメッシュ誤差をより低減出来ることが示されている。そのため、BWRにおいてもSSS法を適用することで通常のノード法よりも高い計算精度が得られると推測される。
有限差分法、通常のノード法、SSS法のそれぞれの計算精度を比較するため、単一集合体体系及び二種類の異なる燃焼集合体が混合した2×2集合体体系において燃料棒内のメッシュ分割数の異なる複数のケースについて計算を行い、計算精度を比較した。