抄録
使用済み燃料の再処理過程において排出される長寿命核種を効率よく短寿命または安定な核種へと核変換することを主な目的とした加速器駆動システム(ADS)の研究が進んでいる。しかし核破砕反応により発生する中性子を炉心へと打ち込むといった、ADSに関する実験はほとんど行なわれたことはない。また核破砕反応で発生する程度のエネルギーを持つ中性子の、炉心内での振る舞いを詳細に明らかにするための実験は現在確立されていない。そこで高エネルギー領域の炉内中性子の時間減衰のエネルギー依存性を実験的に明らかにしたいと考え、そのための測定手法の開発を検出器として液体有機シンチレータNE-213を用い行ってきた。