抄録
BWR下部プレナム内では、強制循環ポンプから下降方向に流入した冷却水がほぼ180度向きをかえて上昇方向の流れとなり燃料チャンネルへ流入している。また、下部プレナム内部には、制御棒駆動機構(CRD)ガイドチューブ、計装管が貫通しており、さらに、チャンネル入口近傍には、炉心支持板懸架のための梁(ビーム)が存在するため、実際には複雑な3次元流れとなっていると考えられる。そこで本研究では、BWR下部プレナムを模擬した流動可視化試験装置を製作するとともに、その試験装置を用いた管群複雑流路内での流動の可視化観測を行った。得られた画像に対してPIVによる画像処理を行うととともに、LDVを用いた定量評価を行うことによって流速分布等についての実験データを取得した。実験結果は、BWR下部プレナム内の流動予測の為のCFDコードのベンチマーク用データベースとして整備することとした。