抄録
近年、原子炉内の大規模な領域を数値解析にて評価することが一般的に行われるようになってきた。しかし、数値解から読み取ったある注目値をプラント設計にて活用するためにはその値の持つ不確かさ、つまり誤差の大きさを明確化する必要があるが、これまでのところ多次元流体解析において試験計測無しにこのような誤差評価を行った先例は見当たらない。ここでは、解析領域全体の複雑流れ場を複数の単純現象に分解し、個々の単純現象における数値解析誤差を文献値などとの比較により把握し、この単純現象の数値解析誤差が注目値の誤差に与える影響(感度)を求める感度解析を行い、誤差伝播法則などを用いることにより前記注目値が持つ誤差の大きさを評価する方法を提案する。また、コロラド大学で過去に行われたBWR水位勾配試験を対象とした再現解析により水位勾配の大きさを算出し、この算出値の持つ誤差の大きさを前記手法により評価し、別途試験値との直接比較により得た誤差の値と比較することにより本手法の妥当性を検証した例を示す。