日本原子力学会 年会・大会予稿集
2007年秋の大会
セッションID: E21
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新型原子力システム
超臨界CO2タービン高速炉発電システムにおける圧力水準の検討
*武藤 康加藤 恭義
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抄録

超臨界二酸化炭素(CO2)タービンサイクルを用いる発電システムは、超臨界点近傍で圧縮仕事が低減されることにより、高速炉で実用化されている温度領域(500-600℃)において蒸気タービンよりも高い熱効率を達成できる可能性がある。しかしながら、これには20MPa程度の高いタービンガス圧力を必要としており、直接サイクルでは原子炉圧力容器の設計において、また間接サイクルではIHXの構造設計において困難が生じる。これを解決する方法として、超臨界を必要とする圧縮機及び高圧タービンのみを高圧として、原子炉またはIHX及び低圧タービンの圧力を若干下げる方法(2段タービンサイクルと呼ぶ)が考えられ、これについて達成し得る熱効率の計算を行った。原子炉出口温度527℃の場合に、サイクル熱効率の値は、圧力20MPa、2段タービンサイクル(高圧タービン20MPa/低圧タービン12.5MPa)、12.5MPaの各ケースに対して、42.62%、43.92%、45.06%となった。この結果、2段タービンサイクルの熱効率は、20MPaの場合よりは低いものの12.5MPaの場合よりは1.3%高く有用であることが明らかになった。

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© 2007 一般社団法人 日本原子力学会
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