抄録
ハフニウム水素化物(HfHx)を利用した高速炉の新しい中性子制御棒開発が進められている。本研究では、このハフニウム水素化物中性子制御棒の設計において極めて重要な基礎物性値である熱拡散率、比熱および熱伝導度を評価し、熱伝導挙動に対する水素濃度(HfHx:x=0~2.0)および温度(室温~573 K)変化に伴う相変態の効果について調べた。水素化物の結晶構造は水素濃度に対して最密六方晶+面心立方晶(a+d-HfHx: 0< x<1.4)、面心正方晶(d’-HfHx: 1.4< x<1.6)、面心立方晶(d-HfHx: 1.6< x<1.75)、面心立方晶+面心正方晶(d+e-HfHx: 1.75< x<1.85)、面心正方晶(e-HfHx: 1.85< x<2.0)と変化した。d’相の熱拡散率が室温において最も高い値を示すが、約353~373 K間ではd’相からd相への相変態が生じ、急激に減少することがわかった。また、a+d相およびd’相を除く他の相における熱伝導度は温度にほとんど依存せず一定であり、573 Kにおいてハフニウムの熱伝導度(0.21 W/cm・K)とほぼ一致することがわかった。