抄録
わが国では、2003年10月、原子力安全規制の抜本強化が行われ、品質保証体制・保守管理活動の確立、定期事業者検査制度及び健全性評価の導入などが実現され、また、その後、2006年9月には検査のあり方についての改善の方向がまとめられた。しかし、今後とも基本的な検査の考え方の柱である品質保証システムに係る検査については、なお、規制側の運用面を中心に、現状、なお多くの課題が見られるところである。
一方、米国の規制機関であるNRCは、原子力安全を確保するための必要な規制を行うとともに、過重な規制を排除する姿勢を示し、原子炉監督プロセス(Reactor Oversight Process、ROP)及びリスクインフォームド規制(Risk Informed Regulation)を導入するなど、全体として調和のとれた合理的規制の実現を図り、さらに、それら規制プロセスに関して、自己評価・外部評価を実施し、その改善を常に図っているところである。
上記情勢に鑑み、本調査においては、ROPを中心とする米国の原子力安全規制プロセスに係る自己評価等のシステムと、わが国の自己評価等のシステムとの相異に着目しつつ、現行の規制が事業者にどのような負荷を及ぼしているか、および事業者の考えをも踏まえつつ、今後のわが国規制機関を中心とした自己評価等のあり方等について調査・検討を行った。