抄録
熱中性子フルエンスを測定する方法として、金箔による中性子放射化法が用いられている。放射能絶対値を測定する方法として4πβ-γ同時測定法が一般的に良く用いられるが、金箔のように、厚みのある放射線源では、箔内での放射線散乱事象により、4πβ-γ同時測定法における補正は複雑で難しい。
Kawadaらは、金箔の放射能絶対測定法として、2πβ+2πβ-γ同時測定法を考案した。この方法は、4πβ検出器を上下に分け、別々に2πβ検出器として動作させて、γ検出器と同時計数を行うことで、放射能を測定する方法である。
我々はこの方法で、金箔の放射能の絶対測定を行うと共に、モンテカルロコードEGS5により、2πβ+2πβ-γ同時測定を計算機上で再現し、実験データと計算による放射能の補正について比較し、良い一致を得ることができた。