抄録
中性子ラジオグラフィ装置において、試料画像の鮮明度を示すパラーメーターの一つにコリメータ比(L/D, L:コリメーター入口~試料間距離, D:コリメーター径)があり、より鮮明にするにはコリメーター比を大きくすることが必要とされる。現在我々はコリメーター比1000(L/D=1000)を目指している。JRR-3に設置されているラジオグラフィ装置(TNRF, Thermal Neutron Radiography Facility)ではコリメーター位置はL=2000mm程度に制限されるので、L/D=1000を満足するためにはD=2mmが必要となる。TNRFにおいて、これらの条件下では撮像領域が20mm×20mmと制限される。そこでL/D=1000を保ちつつ広い撮像領域を確保するために多孔式ピンホールコリメーターの開発を行った。