抄録
東海再処理施設では、低放射性廃液をセメントで廃棄体化するための技術開発を実施している。廃溶媒処理技術開発施設から発生するリン酸廃液は、リン酸二水素ナトリウムを主成分とするため、pH4程度の酸性である。セメント固化を行うには、中性からpH14程度に中和する必要があり中和の結果生成する塩の形態によっては、含水塩による混練水不足やセメント成分への吸着の影響でセメント固化不良の原因となる。今回は、これまで実施したリン酸廃液のビーカースケール固化試験、200リットル容器で行った実規模混練試験の成果を報告する。