抄録
我々の進めている中性子捕獲反応からの多重即発ガンマ線測定を用いた崩壊図構築法の現状について報告する。前回までに、二次元法を用いた新準位候補の構築が可能であることを示した。今回は、既知の基底状態への遷移と捕獲準位からの遷移をイベント毎に優先的に選択できるルーチンを取り込み、その後中間の準位を構築する手法を取り込んだ。このことにより、各イベントの即発ガンマ線が放出された順序をより正確に予測することができると考えられる。本発表では、S-34の準位についてこの方法を適用し、前回報告した結果との比較を行い、その長所と問題点の報告を行う。