抄録
原子炉給水流量の高精度化による原子炉増出力(MUR)を行うにあたって、設置される給水流量計の精度の検証が非常に重要になる。給水配管におけるレイノルズ数は非常に高く、そのため従来は、流量計の補正係数に相当するものを、低レイノルズ数における校正結果から外挿を行うことで求められてきた。しかしながら、このMURのために設置される超音波流量計は特にレイノルズ数の依存性が高いとされるために、実流校正が必須である。そこで、産業技術総合研究所・計量標準総合センター(AIST,NMIJ)においては、日本における流量の国家標準設備を拡張する形で、給水配管に匹敵するレイノルズ数において、流量計を実流校正可能な設備を構築した。本報告では、まずこの実流校正設備の概要を述べるものとする。