抄録
ナトリウム冷却高速増殖炉では、炉心の出力密度を高くし、増殖性能を向上させるため燃料ピンは小さい間隔で正三角形配列となって燃料集合体を形成している。そのため定格運転時には特に燃料要素上部では冷却材から力を受け振動し、ホットスポットが生じる恐れがあるため、燃料ピンの間隔を均一にする必要がある。このため燃料集合体内にグリッド型のスペーサー、又は燃料ピンにワイヤを巻き付けスペーサーとして整備する二つの方式が提案されている。ワイヤスペーサー方式は構造が簡単であり、炉心の中性子照射による燃料ピンの寸法変化にも比較的柔軟に対応できるので高速増殖炉で採用されている。
本研究では二流体モデルを用いた数値計算コードへ、ワイヤースペーサによる局所的な影響を模擬し、冷却材流れの偏向の程度と炉心への影響を検証、評価する事にある。