S36+U238反応のサブバリヤエネルギー領域における核分裂片質量数分布の測定

抄録

S36+U238反応において、核分裂片の質量数分布を測定した。実験は日本原子力研究開発機構のタンデム加速器施設で行った。クーロン障壁より高いエネルギーの反応では、対称な質量数分布を示したが、サブバリヤーエネルギー領域では非対称な分布を示し、核分裂片は質量数200と74近傍に集中した。クーロン障壁より高い反応エネルギーは、複合核を形成してからの核分裂が主な成分で、サブバリヤ領域では複合核を生成しない核分裂(準核分裂)が支配的であることが分かった。