抄録
半導体の微細化が進むにつれて、レジストパターンのナノスケールのラインエッジラフネス(LER)がデバイスの性能に対して大きな影響を与えるため、これらの低減はEUVなどの次世代リソグラフィの実現のために最も重要な問題の一つとされている。従来の光リソグラフィでは酸発生剤を直接励起することによって酸が生成するが、電子線・EUVはレジスト樹脂のイオン化ポテンシャルより十分高エネルギーであるため、まずレジスト樹脂自身のイオン化が主として起こり、レジスト樹脂の脱プロトン化で生成するプロトンと、イオン化で飛び出した電子と酸発生剤が反応することで生成するカウンターアニオンとの再結合によって酸が生成する。
この反応機構の違いで引き起こされるプロトン・酸のナノスケールダイナミクスが、潜像および現像後のLERにどのように影響するかをモンテカルロ法により検証した。