抄録
電力ケーブルの絶縁破壊を引き起こす水トリーの発生に伴う微弱な放射線(中性子、γ線)、残留放射線、電磁波等の発生を精密に測定した。特に、前回報告した、課電終了後の電極試料に、短寿命の放射性核種が異常に存在する現象の追試の結果について重点的に報告したい。4回の課電実験の結果では、3回の実験で前回と同様の残留放射線が見られた。ただ、その規模には大きな違いがあり、最大のものでも前回報告の1/3程度であった。ただし、この現象と水トリー発生の規模との間に明確な相関が見られない。残留放射線の起源となる現象がバースト状である可能性を含め、この2つの現象の間には、さらなる未知の要素が介在していることが推測される。