抄録
ヘリウムガス炉構造材料として用いられるNi基耐熱合金においては、高温のヘリウムガス中に含まれる不純物が表面酸化物形成に影響を与え、その後の脱侵炭によりクリープ劣化寿命に影響を及ぼす。それら表面の情報を得るため、高温ヘリウム雰囲気中において合金表面に形成される化合物、酸化物に対してラマン分光分析法によるその場計測を実施した。
ヘリウム雰囲気中に含まれるH2O、CO、H2の不純物濃度を制御した高温環境下におかれた合金表面近傍からのラマンスペクトルの変化挙動を経時的に追跡することにより、形成挙動に及ぼす雰囲気中不純物濃度の影響を評価した。