抄録
地層処分において、隆起侵食は、サイト選定や設計によって処分システムに及ぼす著しい影響を回避することが可能と考えられているものの、緩慢ながらもこれらの現象が極めて長期間に渡って継続するとすれば、不確実性の要因として処分システムに及ぼす影響を考慮しておくことが必要である。このため、現象の過去の履歴とその地質環境への影響の理解に基づいて、隆起侵食が地層処分システムに与える影響評価手法の信頼性を向上させることが重要である。第2次取りまとめにおいては、我が国の一般的な地質環境を対象として、隆起侵食に関する保守的なシナリオおよびその影響評価が例示された。本研究では、仮想的な堆積岩領域における地下水シナリオを対象とし、隆起侵食による処分環境条件の時間的な変化に基づいて、核種移行パラメータの時間的な変化やモデル化に関するバリエーションを感度解析的に整理し、それらの影響評価を例示する。