抄録
本大学には廃炉となった原子炉(武蔵工大炉)があり、本研究室ではその設備・機器を再利用した原子炉シミュレータの開発を継続的に行なってきている。
本発表では東京都市大学(旧武蔵工大)で開発しているTRIGA_II_型原子炉シミュレータの新たな展開を目的とする高速演算装置の開発について報告する。
現シミュレータは、TRIGA_II_型原子炉の運転訓練等に活用されているが、大学院での実験等で、通常運転以外の短時間に大きな反応度が加わるような原子炉運転を行なった場合、PC上での出力演算等が間に合わず、正確な演算することが出来ないという問題があった。
そこで、それらの問題点を解決するために本研究室で開発した高速演算装置(MARK-_III_)をシミュレータに実装して演算に用いる。高速演算装置(MARK-_III_)は、最大5μsのサンプリングタイムと搭載した2つのDSPの連携により原子炉出力等の演算をより高速・正確に行なうことができる。