抄録
発表者らはこれまで、複数の原子力施設やその立地地域の関係者に対してヒアリング調査等を実施し、事業者と関係自治体との間で締結されている原子力安全協定の運用実態について研究を行ってきた。これらを踏まえた上で本発表では、安全協定と類似の点も多いといわれる、自治体による環境政策手法の一つである公害防止協定の運用状況を調査し、両者の比較を行う。法的拘束力を持たない協定という点で共通している両者の運用にはどのような共通点及び差異があり、またその背景には自治体行政のどういった考え方があるのかを考察し、原子力安全規制における国と地方の役割分担の議論に資することを目指す。