抄録
米国の原子力発電所では2006年から、規制当局による検査において発電所の安全文化要素に関する弱点の指摘活動が開始された。安全文化の改善が実際に目に見えるようになるまでには時間を要するといわれているが、実際に弱点として指摘されている事項の性質や指摘件数の推移をみることにより、米国発電所の安全文化改善の様を追跡することは可能であると考えられる。国内の原子力発電所でも安全文化を醸成するための種々の活動が開始されているが、このような活動で先行する米国の状況を把握することで、国内発電所での活動の方向性について検討する際に参考とすることができると期待される。