抄録
アクチノイド酸化物は外部環境条件に応じて不定比性酸化物に変化することが知られている.不定比性酸化物では,定比性酸化物に比べて熱伝導率や融点などの熱力学的物性が変化するため,核燃料の不定比性を適切に評価する手法が必要不可欠である.本研究では,アクチノイド酸化物の模擬材料として酸化セリウム(CeO2)を用いて,複数の不定比試料に対してラマン分光測定およびDFT計算による格子振動数の評価を行った.その上で,酸素空孔の生成が格子振動挙動に与える影響を系統的に分析し,核燃料不定比性評価へのラマン分光法の適用可能性を考察した.