抄録
アクチノイド酸化物のポテンシャルモデルをDFT計算によって構築した既往研究において、DFT計算で用いるべき相関交換汎関数に何を選択すべきかが問題となった。LDA+UのPBEに対する優位性は認識されていたが、"metastable states"あるいは"multiple energy minima"問題のためにLDA+Uを利用することは困難であったため、PBEが採用された。それによって構築されたポテンシャルモデルは、特に材料の熱物性について、実験結果の再現という点で計算精度に不満を残すものであった。本研究においては、UO2を対象として、占有行列操作の手法を用いることで、LDA+Uの利用を可能とし、それによって得られたポテンシャルモデルの精度を、PBE汎関数を用いて構築したモデルと比較した。