抄録
ジルコニウム合金の表面改質技術フレッシュグリーン(FG)は緻密で密着性が高い保護皮膜であることから、耐食性と耐水素吸収性が向上する。そのメカニズムを検討するため、FG皮膜のラマン分光分析を行った。基材にジルカロイ2を用い、対照試験として、FG皮膜の他に大気中で酸化した(OD)皮膜と360℃高温水中で酸化させた(AC)皮膜を用いた。ラマン分光分析の結果、フレッシュグリーン皮膜では、ドープされる炭素の一部はsp2軌道を有する非晶質炭素の形態であると推定される。フレッシュグリーン皮膜表面から約0.5umの深さに於いて、Gバンドの強度が平均値の3倍以上になるピークが観測されている。フレッシュグリーン皮膜では、表面では単斜晶の割合が大きく、0.6umより深い位置から、基材との界面近傍までにおいて正方晶の割合が相対的に高くなる領域が存在している。この境界はGバンドのピークと符合している。これらの電気化学特性がFG処理被覆管材の耐食性を向上させていると考えられる。