抄録
過酸化水素は、高温水中では、熱分解しながら拡散していくため、高温水中での過酸化水素の濃度分布評価には、過酸化水素の熱分解および高温での拡散係数が必要となる。これらのパラメータに関しては、直接測定により評価した例は限られている。そこで、本研究では、これまでに報告した高温水中でのインピーダンスその場測定により過酸化水素の拡散および熱分解を直接評価し、その測定結果を用いて、有限要素解析により過酸化水素濃度分布評価を実施した。その結果、過酸化水素はマイクロメートルオーダのすきま内では残存せず、すきま開口部のみが高い腐食環境となることが示された。