抄録
筆者らは軽水炉の炉心溶融時に燃料溶融が水面上に露出した部分から起こることに着目し、再臨界予防のために水に浮く中空ボロン粒子を事故発生直後に炉内に投入する方法を提案する。本発表では、水に浮く中空ボロン粒子の試作につき示す。ボロンの比重(約2.3)を考慮し平均外径1.5 mm、平均重量1.1 mg で水に浮く中空ボロン粒子を粉末冶金法で試作した。B4C はもとより、ボロンの原子数密度を高めるため純粋なボロンでの焼結も可能である。またジルカロイ燃料被覆管とボロンを溶融させ、両者の良好な拡散挙動を確認した。