抄録
動特性解析を行う上では中性子束の時間微分項に対し差分近似を適用するのが主流である。しかし、Method of Characteristics(MOC)を用いて動特性解析を行う場合、従来法と同様に角度中性子束の時間微分項に対し差分近似を適用すると、全セグメントのセグメント平均角度中性子束が必要となるため、膨大なメモリ量を必要とすることとなる。ゆえに、MOCを用いた動特性解析コードDeCARTでは角度中性子束の時間依存性が等方であると仮定して、メモリ所要量を低減している。しかし、この近似誤差が計算精度に与える影響はこれまで評価されてこなかった。そこで本研究では、角度中性子束の時間依存性を実用的なメモリ量で従来法よりも厳密に取り扱うことが可能な計算手法の開発を行ない、この近似誤差の定量化を行なっている。本発表では、その計算理論について発表する。